一年の締めくくりの大晦日。
みなさんは何をして過ごされていますか?
大掃除も終わり家族そろって年越しそばを食べている人、彼氏・彼女とカウントダウンを待っている人、はたまたこの時期も変わらずお仕事をされている人。
様々な方がいらっしゃると思います。
中にはお寺で除夜の鐘を聞きに、または鐘を撞きにいかれている方もいらっしゃると思います。
今回は、そんな除夜の鐘にまつわるあれこれをご紹介していきたいと思います。
除夜の鐘は何時から何時?
忙しい年末を過ごしてきて、フッと気づくと除夜の鐘が鳴っていた、なんてことありますよね。実際には何時ころから鐘が鳴り始めているのでしょうか。
お寺にもよりますが、早めの10時半頃から鳴らし始める場所もあれば、11時45分からと日が変わるギリギリからかなりハイペースで鳴らす場所もあるようです。
鐘の音を最初から聞いたり、鐘を撞くのであれば10時過ぎには寺院にいたいものです。
寺院によって先着順で鐘を鳴らすことができるところや、人数がオーバーしても時間内に来た人は、皆鐘を鳴らすことができる寺院もあります。
また、最近では時代の流れで夜遅くに鐘を鳴らすと騒音トラブルになるという理由から夕方から鳴らしているという寺院もあります。
除夜の鐘まで騒音扱いされる時代になってしまったのは、ちょっと悲しい気分になりますね。
ほとんどの寺院は無料で鐘を鳴らすことができますが、整理券を配っていたり、有料の場所もあります。
どこの寺院でも必ずやっているわけではありませんし、時間や人数制限、場合によっては価格もしっかり確認してからいきましょう!
鐘を鳴らす場合はかなり早めに行っていると、序盤に鳴らして後はのんびり聞くことができるのでおすすめですよ!
除夜の鐘はどうやって時間が決まったのか
前述したように、寺院によっては夕方からのところもあるようですが、なぜ日が変わる時間帯に行うのでしょうか。
本来の除夜の鐘は、大晦日から元旦にかけての深夜0時を挟んで撞くことを指します。
大晦日のうちに107回までを撞き、新しい年になってから最後の1回を撞くところが多いようです。
合計108回もの鐘を撞くのには、ペース配分にもよりますがそれなりに時間がかかります。そのため、うまく最後の1回を撞くには逆算するとだいたい10時半くらいからとなるのです。
除夜の鐘を鳴らす理由は?
そもそも、なぜ大晦日の忙しい時期に除夜の鐘をならすのでしょう?
まず、除夜というのは、大晦日の夜を意味します。年取り、年越しとも言われます。
神社では大祓(おおはらえ)の神事が行われ、寺院では108の除夜の鐘を鳴らして煩悩解脱(ぼんのうげだつ)を祈るとされています。つまり、除夜の鐘とは大晦日に撞く鐘ということです。
次に、煩悩とは人間の心を惑わせたり、苦しめたり悩ませたりする心の働きのことを言い、仏教の考え方からきています。
仏教が生まれた古代インドでは108という数字は『沢山』を意味するからとも言われています。
また、古くから中国では108という数字をとても大切にしてるそうです。一年(12か月)、24節気、72候を全て足すと108になるという説や、四苦八苦4×9、8×9をたすと108になるからという説もあります。
さまざまな説がありますが108はさまざまな場所で意味のある数字のようです。
つまり、108ある煩悩を払うために108回鐘を撞くのですが、最後の一回は新年に煩悩に悩まされないように年が明けて初めに1回撞くのだそうです。
ですから107回は大晦日に、最後の1回は正月に撞いているということになります。
除夜の鐘について まとめ
除夜の鐘の音は、何とも言えな風情があり、心地よい響きと癒されるような気がしませんか?
実は、除夜の鐘には癒し効果もあるといわれています。
検索するとyoutubeにもいくつも上がってきます。人間は、一定の揺らぎを感じると音を聴くとリラックスして安心するのだそうです。
例えばうぐいすの鳴き声や川のせせらぎを聴くとリラックスできますよね。除夜の鐘には、同様の癒し効果があるのだそうです。
除夜の鐘の音は、人の心を浄化させてくれます。煩悩を払うという意味には音の効果も合わさって心がが落ち着く、ということもあるようです。
年の瀬に煩悩を払い、そして新しい年に向けて心から清らかな癒しを与えてくれるのです。
今年の大晦日には、ぜひ除夜の鐘を撞きに、またその美しい音色を聞きにいってみませんか?