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八十八夜って何?時期はいつ頃で1日どのように過ごすのが正解?お茶との関係性なども紹介していきます

「夏も近づく八十八夜〜♪」と始まる歌はご存じでしょうか。「茶摘み」という唱歌です。最近では耳にすることは少なくなりました。

高齢者に関わるお仕事をされている方はよくご存じかもしれません。

今回はそんな八十八夜お茶との関係性などについて、ご紹介したいと思います。

 

 

八夜八とは?

 

十五夜といえば新月から15日目の満月をさしますが、八十八夜は立春から88日目という意味

昔から立春が暦の基準になっているので、立春を基準にさまざまな決まり事や節目があるのです。

毎年5月2日ごろにあたりますが、その年の立春の日付によって八十八夜もずれます。

 

八十八夜は季節の移りかわりの目安となる雑節(季節の移りかわりの目安を把握するための暦日で、人々の暮らしと密接に関係し、農作業などの目安とされていました。「節分」「彼岸」「入梅」「土用」なども指します)のひとつです。

 

立夏(毎年5月6日ごろ)を控えた春から夏への境目で、この頃から気候も安定してきます。

不意に訪れる遅霜も降りなくなるため「八十八夜の別れ霜」といわれ、八十八を組み合わせると「米」という字になることから、様々な農作業の目安にされてきました。

 

 

時期はいつ頃?

 

八十八夜は立春から数えて88日目のため、立春の日が変われば八十八夜も変わります。

また、閏年の場合には前の年より1日遅くなることもあるので、その年によって異なるものの、だいたい5月初旬に訪れるのが八十八夜です。

2023年は5月2日(火)が八十八夜になります。

 

八十八夜は立春から数えて88日目。それであれば、「八十八日」でもよいはずです。

なぜ八十八「夜」なのでしょうか?

 

はっきりとしたことはわかっていないのですが、一説では日本でもかつて使われていた「太陰暦」が理由だといわれています。

現行の暦は太陽の動きを基準にした「太陽暦」ですが、太陰暦では月の満ち欠けが基準です。

太陰暦で考えると、暦が一巡するのにかかる期間は29日~30日。月の満ち欠けが3巡すると88日になります。

太陰暦では夜に見える月を基準にしていたため、八十八夜と「日」ではなく「夜」を使った表現になったといわれているのです。

 

 

当日の過ごし方

 

八十八夜は初夏の農作業を始める目安となる日ですが、農業に関わっていない方の場合、あまり意識することがない日になってしまっています。

せっかくですので季節の変わり目を感じ、四季をより楽しむため、八十八夜を現代の生活に取り入れてみるのはいかがでしょうか?

 

八十八夜は、田植えや茶摘みなど、初夏の農作業をスタートさせるための準備の目安となる日です。

それにちなんで、自宅のインテリアを夏仕様に変えてみることをおすすめします。

例えば、

  • 毛足の長いラグを、イグサなど夏らしいものに変える
  • クッションやカーテンを夏らしい色のものに買える

 

次に、夏を快適に過ごすための準備として、大掃除をするのもおすすめです。

掃除をすることは運気を上げることにつながると言われています。

八十八夜は末広がりで、これから開運していく縁起の良い日ですから、これからの1年をよりよいものにするために、八十八夜に大掃除すると運気が上がるかもしれません。

 

また、夏前にこの時期に大掃除をすることで、梅雨のカビを予防することにもつながります。

カーテンなどを洗ってもすぐ乾きますし、過ごしやすい時期なので窓を開けていても快適です。

年末の大掃除の負担も減りますから、ぜひ八十八夜を機会に夏前の大掃除をしてみましょう。

 

大掃除におすすめの場所

夏前の大掃除におすすめの場所は、

  • 浴室
  • カーテンの丸洗い
  • エアコンのフィルター掃除
  • 網戸や窓

などです。

 

最後に、八十八夜はお茶と関係の深い日ですので、おいしい緑茶を飲んでリラックスするのも素敵な過ごし方です。

その年の新茶を収穫する時期は産地によっても異なり、八十八夜にはすでに販売されている新茶もあります。

おいしい新茶を飲みながら1年間の健康を祈ってみるのもいいですね。

 

 

お茶との関係性

 

八十八夜という言葉が登場する「茶摘み」の歌は、文部省唱歌(文部省が選定した教育用歌曲)として小学校音楽の教科書に掲載されています。

作者は不詳ですが、以下の歌詞からもわかるように、初夏の茶摘みの様子を歌っています。

「夏も近づく八十八夜 野にも山にも若葉が茂る あれに見えるは茶摘みじゃないか」

「八十八夜の新茶を飲むと、長生きできて縁起がよい」という言い伝えがあります。

お茶の収穫は1年に3~5回。そのなかでも、八十八夜はお茶の新芽が出始める季節。

この時期のみずみずしい新芽を摘んで作られたお茶のことを新茶(一番茶)と言います。

 

一番茶から約50日後に摘んだものは二番茶、地域によっては三番茶や秋冬番茶を摘むところもあります。

八十八夜に摘まれた新茶を飲むと病気にならない、長生きするなど、縁起のよい言い伝えも。

 

実際、新茶は二番茶に比べてカフェインやカテキンが少なく、テアニンという旨味成分が豊富に含まれていて、リラックス効果が期待できると言われています。

旨味と渋み、苦味のバランスが優れているのも新茶。栄養もおいしさも優秀な新茶を、旬の時期に味わいたいですね。

 

 

八十八夜 まとめ

 

だんだんと気温が上がり、日差しが暖かく感じてきて初めて季節の変わり目を感じる方も多いかと思います。

次の5月2日はぜひ八十八夜を意識して過ごしてみたいものです。

 

普段お茶はあまり飲まない方も、この日はぜひ新茶を買っておいしい煎れ方で飲んでみてはいかがでしょう。

子供の日も近いので柏餅をお供にすると、相乗効果でお茶にハマってしまうかもしれませんね。

 

 

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