6月の夏至とは反対の、冬至が12月にはあります。
冬至と言えば代表的なのが「かぼちゃ」と「ゆず湯」ですね。最近では動物園でカピバラがゆず湯に入っている様子などがニュースで報じられたりしますね。
皆さんのご家庭では冬至の風習を取り入れていますか?なんとなくそういったものと、何気なく取り入れている方も多いでしょう。
でも、もし子どもにそれが「何でなの?」と問われると困ってしまいますよね。これを機に冬至について学びませんか?
親になった今、「なるほど」と改めて風習の大切さを感じるはずです。今回は、子どもに知らせたい冬至の意味や由来など基礎知識を紹介します。
冬至とは
冬至とは、1年の中で最も日(太陽が出ている時間)が短く、夜が長い日をさします。この日を境に徐々に日が伸びていきます。
そのため、冬至は「太陽が生まれ変わる日」とも呼ばれています。
それは、日が出ているのが最も短い「冬至」から、日が出ているのが最も長い「夏至」までは、日の出から日没までの時間が徐々に伸びていきます。
反対に、夏至から冬至までの期間は、日の出から日没までの時間が徐々に短くなっていきます。
このことから中国や日本では、冬至は太陽の力が一番弱まった日であり、これを境に太陽の力が再び甦っていく「1年のスタート」「太陽の出発点」と考えるようになりました。
これを一陽来復(いちようらいふく)と言います。夜が長いため暗い日なのかというと、実はとても前向きな日なのです。
冬至は何すればいいの?
冬至の日には「かぼちゃを食べる」という風習があります。それにはいくつかの理由があります。
運気が上がっていくとされる冬至には、運が向くように「ん」のつく食べ物を食べると良いとされています。
そのため、大根や人参、うどんなど「ん」のつく食べ物は「運盛りの食べ物」と言われていました。
そして「ん」が2つ付く食べ物は運気も倍増するとも考えられており、「なんきん(かぼちゃ)」「れんこん」「にんじん」「ぎんなん」「きんかん」「かんてん」「うんどん(うどん)」の7つをまとめて「冬の七種(ななくさ)」と呼ばれています。
昔から黄色は「魔除け」の色と言われており、栄養価も高く、黄色いカボチャを1年の区切りである冬至に食べると、病気にならないと言い伝えられています。
かぼちゃとゆず湯は冬至に当たり前?
「冬至」は、1年でもっとも夜が長く、昼が短い日です。
「冬至」は日照時間が一番短いので、一番体が弱りやすいと考えられていました。
そのため、一番力が弱くなる日にかぼちゃを食べて栄養をつけ、ゆず湯に入って体を温めることで寒い冬を乗り超えると言われています。
では、なぜ食べるのは「かぼちゃ」なのでしょうか。前述した「ん」がつく食べ物であることはお伝えしましたが、実はかぼちゃの旬は夏なのです。
それが冬至に食べられるようになったのは、かぼちゃが長期保存ができる栄養価の高い食材だったからです。流通が発達した現在では、どんな野菜もほぼ1年中食べることができます。
しかし、昔は冷蔵技術が発展していなかったため、長期保存できる「かぼちゃ」が食べられるようになったのです。
次に「ゆず湯」ですよね。
なぜ冬至に「ゆず湯」に入るのでしょうか?「柚子」は冬が旬で、香りも強く邪気を払うと言われていたため、一番力が弱る「冬至」にゆず湯に入るようになったという説があります。
他にも、冬至=「湯治(とうじ)」、柚子=「融通がきく」という語呂合わせから、冬至の日にゆず湯に入ると言う説もあります。
また、柚子は実るまでに長い時間がかかるので「長年の苦労が実りますように」という願いも込められているそうです。
現在は、「ゆず湯」の効能も科学的に明らかになっています。ゆず湯には血行を促進し、冷え性を緩和させる効果があります。
そして、実や皮に含まれるクエン酸やビタミンCには、美肌効果があるのです!これは、「冬至」だけではなく、冬には「ゆず湯」に入りたくなりますね。
冬至にやってはいけない事
冬至は、「一陽来復(いちようらいふく)」だとはお伝えしましたが、逆に避けたい「運気を下げる言動」があります。それは、人の悪口や妬み・嫉みなどを口にすることです。
そもそも冬至は風水的にみると「一陽来復」とは、陰が極まり再び陽にかえると言われています。
つまり、今まで陰の空気が漂って本調子にならなかったことでも、冬至で陽にかえり元気をとり戻しやすくなるということですね。
しかし、そんな全てを上昇に転じる日に後ろ向きな言葉を発していると、いくら縁起の良い日でも運気を下げてしまいます。
普段、私たちが当たり前のように口に出している言葉というのは、エネルギーをもっているので、負の言葉を発していれば負がつきやすくなってしまうのです。
そのため、冬至で運気を上昇させたいと願うなら、特に冬至の時には言葉に注意する必要があるのです。
有名なマザーテレサのことばだと言われているのが以下になります。(諸説あり)
- 思考に気をつけなさい、それはいつか言葉になるから。
- 言葉に気をつけなさい、それはいつか行動になるから。
- 行動に気をつけなさい、それはいつか習慣になるから。
- 習慣に気をつけなさい、それはいつか性格になるから。
- 性格に気をつけなさい、それはいつか運命になるから。
冬至だからというだけではなく、日頃から気を付けたいことばですね。
冬至 まとめ
子どもに「冬至って何?」と聞かれたら、
「1年の中でお昼の時間が一番短く、夜が一番長い日だよ」と教えてあげましょう。
そして、「どうしてかぼちゃを食べるの?」には、
「かぼちゃは栄養がいっぱいで、丈夫な体を作ってくれるんだよ」。
「なんでゆず湯に入るの?」には、
「体をポカポカに温めてくれるから風邪をひきにくくなるんだって」、とわかりやすい言葉で説明してあげましょう。
「冬至」以外の日本の伝統的な日についても、わかりやすく伝え「覚える」ことを習慣づけることは、伝統を学ぶほかに、記憶の素質の向上にもつながります。
そして、実際にかぼちゃを食べ、ゆず湯に入り、来年も健康で幸せな1年にしていきましょう!