4月から新年度を迎える方も多いのではないでしょうか。
新しい生活の始まりを前に、桜の花は満開に咲き誇り、気持ちを新たにしてくれます。
桜を見るとお花見をしたくなりませんか?
花見は馴染みのある行事ですが、いつから始まったのでしょうか。
その由来と花見でのおすすめの食べ物や楽しみ方を紹介します。
お花見とは?
お花見といえば桜ですね。
桜はアジア諸国やアメリカ、ヨーロッパなど世界の国々に分布しているのですが、日本のようなお花見をする国はありません。
ブラジルで日本スタイルのお花見が見られることがあっても、これは日系の方がしているものです。
お花見は日本独自の行事だと言えます。
桜の花は1週間程度で満開を迎え散ってしまいます。
短い期間に咲いて散る桜を愛でるお花見は、日本人のわびさびといった美意識に通じるものがあるのでしょう。
花見の歴史や由来
お花見は貴族が始めた行事だと言われています。
昔は日本で花といえば、中国から伝来した梅でした。奈良時代に梅を眺めながら詩を詠んだのがお花見の始まりだそうです。
この頃にも桜はあったのですが神様の宿る神聖な木として扱われていました。
平安時代の頃から日本古来の桜を愛でるようになりました。
嵯峨天皇が京都の寺院で「花宴の節(かえんのせち)」を開いたと「日本後記」に書いてあるのが、桜の花見の最古の記録だと言われています。
この頃から「花」といえば桜を指し、桜を鑑賞することが花見と呼ばれるようになりました。
それ以降、花見は宮中での恒例行事になり、「源氏物語」にもその様子が書かれています。
鎌倉時代になると、貴族の行事だった花見は武士階級にも広まりました。
そして江戸時代には庶民の間でも花見が行われるようになりました。
この頃には桜の品種改良も盛んになり、現代でも広く親しまれているソメイヨシノが誕生したのもこの時代です。
代々の将軍たちが作った上野や隅田川沿い、飛鳥山などの桜の名所は、今でも桜の季節には多くの花見客で賑わっています。
貴族の行事から始まったという起源の他に、花見の由来はもう1つあります。
それは農民文化的なもので、桜に神様を迎え、酒やご馳走でもてなし、そのおさがりを一緒にいただくことで豊作を祈願した祭礼が、本来の花見の始まりだとされています。
桜の咲き方でその年の収穫を占ったり、桜の開花にあわせて種もみをまく準備をしたりもしたそうです。
花見で食べる物は?
気の合う仲間と満開の桜の下で行う花見は楽しいものですが、美味しい料理があるとさらにお花見が盛り上がります。
そこで花見にまつわる食べ物と、花見で食べるのにおすすめの料理を紹介します。
桜餅
桜と聞いてまず最初に思い浮かぶのが桜餅ではないでしょうか。
関東と関西では桜餅の種類が異なるのをご存知ですか?
関東では長命寺とも呼ばれ、小麦粉などを使った生地をクレープ状に焼いて餡を包んだ和菓子を指します。
東京都墨田区の長命寺が発祥といわれています。
関西では道明寺とも呼ばれ、もち米からつくった道明寺粉を使い、つぶつぶとしたお米の形が残った餅で餡を包んだものを指します。
長命寺も道明寺も塩漬けにした桜の葉が巻いてあります。
今はセットで売られていることもあるので食べ比べてみるのも良いですね。
三食団子
緑と白と桃色の団子が三個刺さっている串団子で、花見団子とも呼ばれています。
順番は下から緑、白、桃色で、全国どこでも同じ並びです。
これには意味があって、緑が新芽、白が雪、桃色が花を表しているのです。
まだ雪の残る早春、雪をかぶった新芽の上に花が咲いている様子を思い浮かべてみてください。
見立てが得意な日本人らしいお菓子ですね。
ちなみにお雛様の菱餅もこの順番です。
次に、お花見での定番の料理を紹介します。
外で料理を囲むことを想定して、手に取りやすく食べやすいものを挙げてみました。
■ラップで巻いたおにぎりやおにぎらず
桜でんぶでピンクにしてもかわいいですし、おにぎらずは普通に握るより具材をたくさん入れられて断面も色とりどりできれいです。
■お寿司
手毬寿司や巻き寿司、稲荷寿司がおすすめ。
具は生魚を避けた方が無難です。
ゆでたエビやスモークサーモン、生ハム、お漬物、鮭フレークなど、彩りもあざやかでかわいいです。
桜の塩漬けをトッピングするのもお花見にぴったりです。
■サンドイッチ
パンで具を巻いてラップサンドにすると食べやすいです。
真ん中でカットすれば華やかになります。
■唐揚げや卵焼き
お弁当のおかずの定番です。
他に肉団子やシュウマイなども取り分けやすいのでおすすめです。
■ピンチョス
ピンチョスとは小さな串で刺した食べ物のことです。
具材は小さく切ったパンやチーズ、野菜やウインナーなどお好みでなんでもOK。
ピックや爪楊枝に刺すだけなので作り方も簡単です。
一口サイズで、手に取りやすく食べやすいので、みんなでわいわい食べるのにもってこいです。
色々なバリエーションで作れば、好き嫌いのある人でも大丈夫。おつまみにも最適ですね。
爪楊枝にマスキングテープでお子様ランチの旗のように飾り付けしたり、かわいいピックを使うとより一層お弁当箱が賑やかになります。
■ピザ
裏技でピザのデリバリーを頼むという方法もあります。
混雑することを考えて予約しておきましょう。
配達員の方が迷わないように分かりやすい場所を指定し、迷った時にもやり取りできる連絡先を伝えて置くと安心です。
ボリュームもありますし、温かいピザが外でいただけます。
花見ならではの楽しみ方
最近では桜の季節に合わせて、夜にライトアップしてくれる場所もあります。
桜の名所はもちろん、遊園地などで観覧車やゴンドラから眺める桜は見ごたえあります。
みんなと誘い合わせて賑やかなお花見も楽しいのですが、満開の時期やお天気はよめません。
桜を愛でるのが花見です。
思い立った日にふらりと出かけるのも良いですね。
通勤通学や買い物などの行き帰りに、少し足を伸ばして桜の咲いている道を選んでみませんか。
朝のまぶしい日差しや夜間の街灯に照らされた桜も、昼間とはまた違った趣きがあります。
お花見 まとめ
桜が咲く季節はまだ肌寒いので、出かける際は冷えに注意してひざ掛けなどの用意があるといいでしょう。
温かい飲み物をポットや水筒にいれて持っていくのも良いです。
花見は古くは貴族の行事や神事から、今では広く一般に広がり毎年賑わうイベントとなっています。。
昔と変わらない桜を愛でながら、美味しい料理とともにお花見を楽しんでくださいね。