みなさんは母の日にお祝いや、お母さんへ感謝の気持ちを伝えていますか。小さいころは気にせずにお手伝いをしたり、お小遣いからカーネーションを買って渡すなどをしたものですが、年を重ねると気恥ずかしくなるものです。今回はあらためて一緒に母の日を考えてみませんか。
母の日はいつ?
2022年は5月8日でしたが、2023年は5月14日になります。母の日は5月の第2日曜と決まっており、毎年必ず5月8〜14日の間になります。
日頃の感謝を伝え、赤いカーネーションを贈るのが一般的です。ではなぜカーネーションなのでしょうか。
それは、地中海沿岸が原産地とされるカーネーションは、『神の花』という意味があり、古代ヨーロッパでは、神にささげる王冠に使われていました。
また、カーネーションは『母子』を象徴する花でもあります。十字架に架けられたキリストを見送ったときに、聖母マリアが落とした涙からカーネーションが咲いたという逸話が聖書に伝えられています。この話が基となり、母性や母性愛を象徴する花と言われるようになったのです。
母の日は海外もある?
もちろん海外でも感謝の気持ちを伝える日とされています。ただ日本との大きな違いとしては、自分や義理の母親に感謝の気持ちを伝えるだけでなく、アメリカでは様々な「母」に贈り物をします。夫から妻へ、子育てを頑張る友人や娘へ、母のような先生へ、など贈る相手が多いというのが特徴的です。そのため、アメリカの母の日は大変盛り上がる一日となります。
また、カーネーションを贈る風習は現在も受け継がれていますが、アクセサリーや小物など様々なギフトが選ばれています。
中国では長年母の日は存在しなかったようですが、現在では日本と同様のカーネーションを贈り一緒に食事をする風習が広まりました。
また、台湾では母の日を一大イベントとして位置づけており、アクセサリーをはじめ贈り物などが盛んに行われています。そんなアジア諸国の中でも特に個性的なのが、タイの母の日で、カーネーションではなくジャスミンの花を贈ります。また、オーストラリアは独特でなんと菊の花を贈ります。日本では良い意味のものではないので驚きです。
日本はいつから始まった?
日本で母の日のイベントが行われるようになったのは、明治時代の終わりから大正時代にかけてと言われています。その後1931年に皇太后の誕生日である3月6日が「母の日」とされ、一般にも少しずつ広まっていきました。
1937年には、日本の大手お菓子メーカーが母の日の大々的なイベントを開催し、これがメディアで大きく取り上げられたことで、「母の日」という存在が全国に知れ渡るようになります。第二次世界大戦後にアメリカの文化が流入すると、母の日が3月6日から5月の第2日曜日に移動し、その後日本の記念日として制定され、国民に認知されていくこととなりました。
母の日の由来や歴史
母の日の起源・由来は有力な2つの説をご紹介したいと思います。
【アメリカ発祥説】
母の日の起源として有力とされているのが「アメリカ発祥説」です。1860年代の南北戦争時代の話で、当時南軍と北軍が駐屯するウェストヴァージニア州は、ケガ人や病人が絶えない状態でした。そこで立ち上がったのがアン・ジャービスさんというひとりの女性です。
彼女は「Mothers Day Work Club(マザーズデー・ワーク・クラブ)」というボランティア団体を結成し、敵味方関係なく負傷兵のケアに尽力。やがて1905年5月にこの世を去ります。
彼女の死から2年経過した5月の第2日曜日、遺された娘アンナ・ジャービスさんが亡き母の追悼集会を開催。その際配ったのが、母の愛した白いカーネーションでした。このことが「5月の第2日曜に母へカーネーションを贈る」という風習として、世に広がったと考えられています。
【イギリス・アイルランド発祥説】
こちらはアメリカ発祥以前からイギリスやアイルランドであったと言われています。それが、「Mothering Sunday(マザリング サンデー)」です。イギリスやアイルランドでは、イースター(キリストの復活祭)の3週間前の日曜日を「マザリング サンデー」と呼びます。
昔貴族のお屋敷へ奉公していた子どもたちは、マザリング サンデーになると雇い主からもらった手土産を持って、故郷に里帰りをしていました。里帰りした際は、自分が洗礼を受けた教会(=マザーチャーチ)を礼拝するのが習慣です。このならわしが徐々に浸透し、母の日の原型になったと言われています。
日本の母の日は5月ですが、イギリスやアイルランドは、3月のマザリング サンデーにお母さんに贈り物をするのが定番です。
母の日 まとめ
由来を振り返りつつ、海外での違いも大変驚きました。ただどこであれ母への愛と感謝に溢れた日になっていることは間違いありません。ぜひ今度の母の日には、恥ずかしからずにカーネーションと一緒に日頃の感謝の言葉を口でも手紙でもいいので伝えてみませんか。