みなさんは梅雨の時期は何をしてお過ごしですか。洗濯物も乾かない、外で遊ぶこともできない、など気分が滅入ることが多い時期です。この梅雨ですが、ニュースなどで梅雨入りと梅雨明けが報道されているのは何となく聞いたことがありますが、ではどのようにして決めているのでしょうか。今回はそんな梅雨明けについて調べてみました。
梅雨明けの決め方
梅雨明けを発表するのは、地方ごとの気象台になります。気象台には、沖縄気象台、鹿児島地方気象台、福岡管区気象台、高松地方気象台、広島地方気象台、大阪管区気象台、名古屋地方気象台、気象庁、新潟地方気象台、仙台管区気象台があり、それぞれの地方の梅雨明け発表を担当しています。北海道に関しては梅雨がないとされているため、梅雨入り・梅雨明けは発表されていません。
梅雨明けが近づくと毎日、気象庁や各地の気象台の天気予報を担当する部署が検討をして、「梅雨明け」を判断して決めています。
しかし、気象庁が速報的に発表している梅雨明けは、9月頃になって修正される場合があります。これは梅雨は季節現象ですので、本来は春から夏にかけての長期変化の中で判断されるのが好ましいからです。
例えば2020年の場合は、四国、中国、近畿、北陸の各地域の梅雨明けが、秋になってから数日単位で変更されることがありました。
梅雨明けの基準は?
原則は、梅雨前線が北上してその地域から離れるか、梅雨前線の活動が弱まって消失するようなときに、梅雨が明けて夏になったとみなすことができます。ただ、気象庁の発表する「梅雨明け」の決め方には、明確な定義があるわけではないようです。気象庁の天気相談所によると、曇りや雨の日が少なくなり、晴れの日が多くなると予想され、天気図では梅雨前線が北上して太平洋高気圧が張り出してくると、「梅雨明けしたとみられる」と発表しているとのことです。
この「~とみられる」という表現には過去の経緯があります。実は、1996年までは気象庁は梅雨入りを「宣言」し、梅雨入りを断言しているかのような表現を使用していました。しかし、この宣言を何度も外してしまいクレームが殺到したことから、梅雨入り関連の発表を取りやめ、事後発表にしていた時期がありました。しかし次は止めたらやめたで、事前に知りたいという要望が多く集まり、「宣言」から「発表」と表現を変え梅雨入り発表を再開するようにしたのです。ですので天気予報の発表の文言を聞いてみると、「梅雨明けしたとみられます」といった曖昧な表現となっています。
ですのであくまで梅雨入り・梅雨明けは予報の結果であって、確定した情報ではないということです。
梅雨明けが早いのはなぜ?
梅雨明けが早くなる要因として、ラニーニャと偏西風が大きく影響しているといわれています。ラニーニャは、太平洋の赤道付近で吹く貿易風が平年より強く、西太平洋の海面水温が上がる現象です。フィリピンやインドネシア近海で積乱雲が発生しやすくなり、上昇した気流は南北へ拡散しながら次第に下降気流となります。このラニーニャ現象によって、太平洋高気圧が押し上げられて、日本列島に張りだす形になっています。さらに、偏西風が平年よりも北側を蛇行する形になる場合があります。これによって、太平洋高気圧が北に張りだす形となって、梅雨前線を早く押し上げる要因となっています。つまり、例年より太平洋高気圧が早く日本に到達することで梅雨が早く明けるのです。
梅雨が長いと面倒なことも多く大変に感じますが、実はこの時期にしっかりとダムに貯水をすることが大事なのて、梅雨が早く開けてしまうと水不足になってしまい、各地で節水を求められることにもなりかねないのです。
梅雨明けが遅いのはなぜ?
梅雨明けが遅い理由としては、一般的にはエルニーニョ現象が原因だと言われています。
先ほどの話と逆で、 エルニーニョ現象の影響で、太平洋高気圧の発達が弱まります。そのせいで太平洋高気圧は梅雨前線を北へと押し上げる働きが弱まってしまい、梅雨前線がいつまで経っても北上せずに停滞するので、結果的に長雨になるのです。
梅雨明けが早いのも色々影響がありますが、遅いのにも問題があります。雨による日照不足で作物が育たず、食料不足やそれによる価格高騰などもあります。冷夏にもなりやすく、深刻な米不足が起きた時期もあります。また梅雨明けの後の台風の時期と重なってしまうと水害が深刻になる場合があります。川の氾濫などが出てしまうと、それにより田畑の農作物が流されてしまうなんてことにもなる可能性があります。
梅雨明け まとめ
梅雨の入り明けの宣言でクレームが出ていたことには驚きました。曖昧な表現が好まれるのは日本人特有かもしれませんね。また梅雨は長くても短くても駄目だということもよくわかりました。適度にあることで年間を通して見た時に、日々の生活に潤いが出るのだということがよくわかりました。次に来る夏が待ち遠しいために、いつも早く明けてほしいと思ったこともありましたが、これからは大事なことだからと待つことができそうです。