最近はメールやLINEが主流になり、お手紙を送るという慣習が少なくなりつつあります。
何事にも簡単につながれるようになった現代だからこそ、時節に即した挨拶とともにことばを送りたいものです。
特に普段手紙を書かない方も、年賀状は書くのではないでしょうか。
そんな時期にある寒中見舞いは、冬の季節のご挨拶や年賀状の返礼に使う書状のことです。 さらに余寒見舞いはご存じでしょうか?
あまり知られていないので、いろいろまとめてみました。
余寒見舞いの時期はいつからいつまで?
まず最初に、寒中見舞いの 役割は以下のようになります。
- 季節のご挨拶(冬)
- 「松の内」を過ぎてしまった場合の年賀状の返礼
- 喪中の方へのご挨拶
- 喪中欠礼
- 故人宛ての年賀状に対する返礼
など
寒中見舞いとは、寒さのために相手の健康を気遣う便りですが、上記のように賀状の返礼や喪中の方への挨拶、賀状をくれた方への欠礼の知らせにも適しています。
寒さの厳しい中、相手の健康を気遣い、互いの近況を報告する挨拶状、見舞い状に寒中見舞いを出します。「寒中」とは、寒の入りから、寒の明けまでの約30日間のことを指します。
(二十四節気では「小寒」「大寒」にあたり、「小寒」から「大寒」までの15日間と「大寒」から「立春」までの15日間を合わせた30日間を「寒中」「寒の内」といいます。)
そして「余寒見舞い」は寒中見舞いが間に合わなかった場合に使える見舞い状です。
一般的に立春以降2月末頃までとされます。
余寒見舞いの例文
書き出しに始まり、いくつかの例文を出してみたいと思います。
例文1
余寒お見舞い申し上げます
立春とは名ばかりで、毎日寒い日が続いておりますが、
お変わりなくお過ごしでしょうか。
私どもはおかげさまで、風邪ひとつひかず、皆元気にしております。
まだしばらくは厳しい寒さが続くとのことです。どうぞお大事に
お過ごしくださいますよう願い上げます。
例文2
余寒お伺い申し上げます
名ばかりの春ですが、そちらは今もなお雪が降っているのでは
ないでしょうか。正月には一家で大変お世話になり、
ありがとうございました。
おかげさまで、ふるさとの味を楽しませて頂きました。
季節柄お風邪などひかれないように、くれぐれもご自愛下さいますように
お祈り申し上げます。
令和○年○月
例文3
暦の上では春とはいえ、ここ数日は気温も低く寒中並みの寒さです。
皆様にはいかがお過ごしのことでしょうか。
私たちは大過なく元気に暮らしております。
吐く息が白いのを見ると春はまだ先かと感じます。桜の季節が待ち遠しいですね。
季節の変わり目、どうかお体をご自愛下さいますようお祈りいたします。
令和○年○月
例文4
余寒お見舞い申し上げます
向春の折、ご家族の皆様におかれましてはますますご健勝のこととお喜び申し上げます。
私どももおかげ様で一同無事に暮らしております。
余寒厳しき時節ではございますが、何卒ご自愛専一に、皆様のご健康とご多幸を心よりお祈り申し上げます。
令和○年○月
例文5
余寒お見舞い申し上げます
暦の上では春とはいえ、厳しい寒さが続いております。
皆様はお元気でお過ごしでしょうか。
おかげ様で私どももつつがなく過ごしておりますのでご休心ください。
年度末を控え、何かと気忙しい時期となりますが、どうぞお健やかにお過ごしくださいますようお願い申し上げます。
令和○年○月
例文6
余寒お伺い申し上げます
余寒厳しき折、貴社いよいよご清祥のこととお喜び申し上げます。
平素は格別のご厚誼を賜わり厚く御礼申し上げます。
今年度も余すところ僅かとはなりましたが、引き続きご指導ご鞭撻を賜りますよう何卒お願い申し上げます。
令和○年○月
余寒見舞いのテンプレート
余寒見舞いの基本的な構成としては、以下のようになります。
- 余寒見舞いの言葉
- 余寒見舞いの言葉に続いて、時候の挨拶言葉
- 年賀状をいただいたお礼や、返事が遅れたことへのお詫びの言葉
- 立春後の寒さ、寒が明けてもなおも寒さの残る折、相手の健康を気遣う言葉
- 今後も変わらぬお付き合いを願ったり、今後につなげる言葉
など
上記を踏まえて、先ほど挙げた例文を確認してもらえればと思います。
余寒見舞い まとめ
いかがだったでしょうか。寒中見舞いは聞いたことがあっても、余寒見舞いは聞いたことがなかったのではないでしょうか。
仕事に家事と忙しいなか、中々返事を書くのが遅くなるなんてこともあるかと思います。2月末までの猶予がありますので、ちょっとズボラな方でも、十分な余裕があるのではないでしょうか。
メールやLINEでのやり取りは簡単で便利ですが、やはり昔ながらのはがきでもらうものは、一味違った趣があるものです。
今回のことをご参考にしていただき、余寒見舞いを出すときには参考にしていただければと思います。