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梅雨入りを発表する気象庁の条件ってあるの?平年の梅雨入り時期はいつ頃?過去の梅雨入りなども紹介

 

じめじめとしていつまでも続く雨に気分も滅入りやすいと言えば「梅雨」です。最初は恵みの雨と言ったり、そんな日もいいものだと思えても続く長雨には辟易としてしまいます。ただ改めて梅雨とは何かを調べてみましたので、ご紹介したいと思います。

 

梅雨入り発表の条件

 

「梅雨入り」とは、単純に「梅雨」に入ることを意味しています。

梅雨とは、毎年春から夏にかけて、その移行期間の最中に、雨が多くなり、日照時間が少なる季節特有の気象現象となります。梅雨の入り明けには、平均的に5日間程度の「移り変わり」の期間があります。

梅雨に入った・明けたというのは、各地方の気象台で発表されます。そして、週間予報担当の予報官が資料とこの先の天気(数日から1週間程度)を見ながら『梅雨会議』が開かれて決定し、発表します。ですので絶対ではないために、宣言ではなく、発表という形になります。

 

平年の梅雨入り時期は?

 

各地の梅雨入り・梅雨明けを発表している気象庁では、30年間の平均値をもって平年値を出し、10年ごとに更新しています。

関東甲信では、6月7日ころ。近畿では、6月6日ころとなっています。

おおむね1~1か月半くらいが梅雨の時期になります。当然その年の気候によっては変動はあります。

 

過去の梅雨入り時期

 

過去3年間で調べたところ、以下のようになっています。

【関東甲信】

2020年:6月11日、2021年:6月14日、2022年:6月6日

【近畿】

2020年:6月10日、2021年:6月12日、2022年:6月14日

「梅雨入り」と似た言葉に「入梅(にゅうばい)」というものがありますが、違いは何なのかを調べてみました。 いわゆる「梅雨入り」は気象用語で、実際に梅雨の期間に入ることを表します。一方の「入梅」も梅雨入りを意味することばです。

 

梅雨の時期はなぜあるのか

 

梅雨は、「梅雨前線」という東西に 伸びる停滞性の前線が、南側の北太平洋高気圧(小笠原気団)と北側のオホーツク海高気圧(オホーツク気団)の間に形づくられることによって生じる東アジアだけにみられる現象です。

梅雨前線ができて雨が降り続くしくみは、次のとおりです。

①暖かい空気と冷たい空気がぶつかると、暖かい空気の方が軽いので上昇する

②暖かい空気に含まれていた水蒸気が上空で冷えて雲ができる

③雲の中の水滴が大きくなると、雨として地上へ降りてくる

5月下旬から7月上旬ごろは、日本の北東から冷たい空気、日本の南東から暖かい空気が流れて来ています。

どちらかの空気の勢いが弱くなるまで梅雨前線は消えることがなく、この3つが繰り返され、雨が続くのです。

そんな梅雨にも実はメリットがあります。それは梅雨に雨が降らないと、この後に控える本格的な夏の時期に水不足が起こってしまい、公園の噴水が止まったり、学校のプールが使えなくなったりします。

日本の水道の多くは、ダムに溜まった雨水を利用しています。そのため梅雨に十分な雨が降ることで、夏の暑い時に多くの水が使えるようになるのです。水不足がひどくなると、家の水道も断水で使えなくなってしまいます。

次に、梅雨があることで、野菜や米などの農作物をよく育てることができます。当然野菜や米などの農作物が育つには多くの雨が必要となります。

日本の農業では、雨水をよく利用しています。農家は日本の気候に適した作物を栽培しているので、梅雨に雨が降らないと、農作物が育ちません。

またダム・貯水池などに水をため、農業用の水として使っていますので、梅雨の雨は農業に欠かせないのです。

ではデメリットはなんでしょう。もちろん外出がしづらい、鬱陶しいというのはありますが、この時期に増えるのは食中毒です。

梅雨の期間は気温と湿度が上がり、食中毒の原因になる細菌やウイルスなどの微生物にとっては活動しやすい環境だからです。

食中毒の原因になる微生物は気温25度以上、湿度60%以上になると急速に増え始めるので、しっかりと加熱する、消毒や除菌をする、手洗いをしっかりするなどの対策が必要です。間違ってもラップをしているからといって、冷蔵せずに出しっぱなしにしないようにしましょう。

もう一つは熱中症です。日差しが強く気温も高い真夏に起きるイメージが強いかもしれませんが、実は梅雨の時期も大変危険です。

それは、気温が上昇しつつあるこもありますが、湿度が上がるので、汗が蒸発しづらくなるからです。

そのため気づかないうちに体温が上がっていて熱中症になってしまうといったことがあるのです。水分を十分にとることはもちろんですが、出来ればクーラーなどの「除湿」を使い、部屋の湿度を下げるだけでも大きく違いますので、参考になさってください。

 

梅雨 まとめ

 

改めて梅雨の時期やメカニズムを知る良い機会になったのではないでしょうか。最近では気象状況の変化から、ゲリラ豪雨、線状降水帯、などによる冠水などの被害が出ることも多くなっています。昔とは違い危険なものになってきていますので、無理に外出しようとせず、良い機会として、ご家族でゆっくりお話したりカードゲームをするなどの時間に使ってみてはいかがでしょうか。

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